2025/9/21
カエルさん
ガードレールをまたぎ、坂を下っていく。
そこには人目の届かない浅い湖があった。
水面に朝の光が反射して、きらきらと輝いている。
「ここなら……だれにも見られないし……水で手も洗える……」
ななみは小さくつぶやきながら、膝まで水に入った。
ちょうど目の前に、ひとつの石があった。
「……あれに、かけよう……」
そう思って近づくと――
ぴょこっ。
石の上に、小さなカエルが飛び乗った。
黒い瞳でじっと、ななみを見ている。
「……あれ……カエルさんも、見たいの……?」
頬を赤くしながら、小声でつぶやく。
尿意はもう限界。
「……っ、もう……出ちゃいそう……」
水音と鳥の声だけが響く湖畔で、ななみの鼓動はどんどん早くなっていった。